2010年11月30日(火)
仕事が早あがりだったので、ブリヂストン美術館に寄ってきた。
今回の展示は「セーヌの流れに沿って」。セーヌ河をテーマにした絵画で構成されている。
日本人の画家たちの作品も多く、感性や色彩感覚によって描かれる風景が異なるのが面白い。
最初の展示室にあった「サン=マメス」の風景を描いたシスレーの作品が、ふるさとの利根川の風景と似ていて懐かしい感じがする。
そんなこんなで見ていくと、「土田麦僊」の文字を見つけてびっくり。
「…日本画の画材しか使わない画家だが、テンペラの技法で描いた珍しい作品」…納得。
ゴッホの「モンマルトルの風車」と、クールベの「エトルタ海岸、夕日」を描いたクールベの作品が、落ち着いた美しさがあって好きだ。
どちらも1800年代後半の作品。その時代の「空気」に惹かれるのかな~。
ちなみに、当館所蔵のモネの「睡蓮」なんだけど、これ、実はとても面白い作品なのだ。
部屋の真ん中にソファがあり、そこに座って鑑賞すると…なんと「3D」に見える!!
モネの時代の鑑賞法とは違うかもしれないんだけど、にごった水面のおぼろな色彩ときっちりフォーカスのかかった睡蓮の花とのコントラスト、さらに額縁のガラスと照明の関係で
「花だけが浮き上がって見える」!!
これは図録では味わえない醍醐味なのである。
他の展示室で見たときもちゃんとその距離にソファがあるので学芸員さんのこだわりかな、とニンマリ。
今回の作品は、各地の美術館からの出展も多いので、まさに「一期一会」。
う~ん、芸術の秋だなあ。…もう冬だけど。
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