2006年10月23日(月)
山本周五郎の短編作品「うぐいす」を読んだ。
現代小説(といっても終戦直後の設定だけど)なので、なんかテンポが違うな~、と思いつつ、それでも読み終えてから、あらためて「山本周五郎のすごさ」を実感した。
「時代物」の衣をまとっていないだけに人間の生き様が妙に生々しくもある。
「ありえない話」として読み流してしまうのは簡単だけど、生涯自分の作品に対して厳しい姿勢をもちつづけた作家のロジックは、「状況としてはフィクションだけど、虚構ではない」何かを感じる。
最近、映画や語りの題材として脚光をあびている山本周五郎作品。
「好きな人がみんなの人気者」になっているようで、ちょっと妬けるけれど、かくいう私も「語りの題材」といわれれば、真っ先に周五郎作品を挙げるはず(笑)。
…やっぱりドラマとしての魅力があるってことなのよね。
本日の読書★『朝顔草紙』(山本周五郎・新潮文庫)
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