2006年10月9日(月)
今日は、沖縄紅型の作家をしておられる城間栄順さんの展覧会「宝布に華さかち」展を見てきました。
午後からのトークショーに合わせていったところ、最終日とあってホールは満員。でも、マイクの声で展示会場全体に音声を流していただけたので、展示作品をじっくり見ながら、作者のお話をリアルタイムで聞ちゃうという、まことに贅沢な鑑賞ができました。
「宝布」とは、心をこめて織り上げられた布の数々。その布に染められた城間さんの作品の「華」は実にみごとでした。雪に晒した白さが特徴の「越後上布」、素朴な手つむぎのぬくもりの感じられる「結城紬」や「久米島紬」、また私自身が今回はじめて拝見した純国産の生糸を使用した「松岡姫」、まさに日本各地の「宝」の布と「紅型」が奏でるハーモニーです。
また「宮古上布」「芭蕉布」といった沖縄に古くから伝わる素材や技法を用いた涼しげな布の上には、力強い沖縄の太陽を彷彿とさせる「華」たちが咲き誇っていました。
つなみに、これらの布は全て手織り。気軽に「試し染め」というわけにはいかないので、イメージどおりの色を確実に再現できるように、何度も別の布で試作を繰り返されたのだそうです。
なによりもすばらしいのは、古希をむかえるという城間さんが、いまなお現役として、作品作りに情熱をかたむけておられるということ。
一反一反の布の織り手たちの愛情こめた仕事ぶりに感謝をしつつ、布の迫力に負けない最高の染めを、と常に挑戦をつづける城間さんの仕事ぶりをみると、「この作品のふるさと・沖縄に行きたい!」と強く思います。
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